2008年11月03日
羅生門デジタル復元プロジェクト
10月21日、デジタル復元された「羅生門」の4K上映行ってきました。巨大なプロジェクタでスクリーンに映し出される羅生門は本当に美しい。デジタルでの上映だったので、フィルムの物理的な歪みもなく当時よりも綺麗な環境で見れたのではないかと思います。本当に綺麗過ぎて「昔のもの」ではなく、「今のもの」として観ることが出来、そのお陰で上映中、頭の毛穴が一斉に開き今までと違った物の見方ができました。再度フィルムに焼きなおしたものが同週末上映されましたが、身内の不幸で行くことが出来ませんでした。ですが、観なくて良かったのかもしれません。フィルムの味わいを感じ、保存や復元などといった過去の宝物として捉え直すには勿体無い体験でした。
[記事引用(http://www.varietyjapan.com/news/movie_dom/2k1u7d00000fa0mt.html)]
JAPAN国際コンテンツフェスティバル(CoFesta)のオリジナルイベントとして18日(土)から開催されていた「最新デジタル映像技術が開く新世界」の最終日の21日(火)、「『羅生門』4Kデジタル復元プロジェクト」のシンポジウムと上映会が東京・表参道ヒルズで行われた。復元に使用されたプリントを提供し、コンサルタントを務めた東京国立近代美術館フィルムセンターのとちぎあきら氏と、実際の作業にあたった米アカデミー・フィルム・アーカイブのマイケル・ポゴゼルスキー氏が講演した。
プロジェクトのきっかけについてポゴゼルスキー氏は、「映画芸術科学アカデミーが、今年9月にロサンゼルスで開催した黒澤明監督没後10周年記念の回顧展(9月19日関連記事)を企画するにあたり、角川に『羅生門』の上映を打診したところ、作品が復元を必要としていることがわかった」と説明。アカデミー賞関連作を中心に幅広いジャンルの作品の収集、保存を目的とするアカデミー・フィルム・アーカイブがデジタル復元を実施した。
「(当時のフィルム素材は発火しやすく保存に問題があったため)1950年のオリジナルネガはすでに破棄され、公開時の上映プリントも存在していなかったため、62年につくられたプリントが使用された。劣化が激しかったオリジナルネガ自体にあったキズ、ゆがみ、ピンボケなどがそのままプリントされていたので、復元は困難を極めた」とポゴゼルスキー氏。
解像度が高いほど高度な作業が可能になるが、4K(4000)ラインの解像度(ハイビジョンが1K)でスキャンされ、2Kで修復、4Kでフィルムに再録画という作業工程が採用され、ピーク時には40人ほどの技術者やアーティストが関与したという。同作に登場する雨、森、火などの映像はコンピュータ・プログラムでの処理が難しいため、デジタル・アーティストによる手作業で行われた。
とちぎ氏が「復元の倫理」について質問するとポゴゼルスキー氏は、「作品の歴史的忠実性を保つことが重要。ネガがこれほどの損傷を受ける前につくられたプリントがどんなものであったかをイメージし、可能な限りそれに近づける。“黒澤明の『羅生門』”を復元せねばならず、“ポゴゼルスキーの『羅生門』”になってはならない(笑)」と答えた。
実は撮影の宮川一夫が、使われなかった部分のオリジナルフィルムを保管しており、これがコントラストなどの重要な手がかりになったという。
講演後の上映では、参加者全員がよみがえった黒澤ワールドに酔った。デジタル復元版は、第21回東京国際映画祭でも25日(土)、渋谷・Bunkamuraオーチャードホールで上映される。


